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 原稿用紙三枚。執筆時間は見てません。手間取ってるので結構かかってます。クリアスカイ1の続きとなっていますが、話はろくに進んでません。世界を書きなれる練習だからいいんですけどね! 使ったことの無い用語や表現に四苦八苦。



 見たことのないタイプだな、とフジカワは思った。
 前方から高速で移動してくる敵は、既に視認できる段階だ。雲を抜けた高高度。日中の陽射しが浴びせられる中、赤の機体が迫ってくる。
 敵機は赤塗りに黒のラインが引かれた装甲を持ち、六枚翼のスラスターを広げていた。両手両足を覆う装甲はリアパーツからフレームとケーブルが伸びており、一見して特殊な機体だと判る。そして搭乗者の腹や肩を露出させた煽情的な格好は女性のそれだ。キャンセラーの防護があるがゆえにできるその姿自体は、特別珍しいものではない。フジカワも、自軍所属時に支給された制服を高高度の大気に晒している。いくら装甲を重ねても、キャンセラーが失われた時点で敗北が決まっていることを誰もが理解しているからだ。
 小さく継続して鳴っていた電子音が止まった。
 同時、擬似HMDに取得した情報が流れる。それは敵が両手に持つ大鎌型デバイスの出力を示すデータで、一瞬青年は我が目を疑いかけた。出力を溜めて一気に放つタイプは数多く知っているが、目前の敵はそれらとは桁が違っている。
 戦略用機体。
「本当に厄介ですね」
 冷静な口調に焦りが混じる。通信で簡易な報告を入れて、青年は行動に移った。
 距離一千メートル。
 音速を超える外骨格型アシストスーツの戦闘においては、一瞬で失われる距離だ。だが、赤の機体は速度を緩めない。今、敵の目には『青年が見えていない』のだ。機能限定版ではあるが『光学迷彩』と『ステルス』を利用したアンブッシュ。青年は手にした銃を至近で放った。
 放電音。
 撃ち出されたM.A.N.A.の力は網のように広がり、蛇に似た放電が赤の機体に絡み付く。敵の速度が落ちた。直後、青年と赤の機体は交差する。
「――!」
 相手の口元が動いた気がしたが、刹那の交差では判別は曖昧だ。相手は目元をバイザーで覆っており、表情も読み取り辛かった。
「動揺してくれてないと――」
 旋回して敵の背を捉えながら、青年は手にした銃の設定を変更する。威力も精度も酷いものだが、そのことを相手は知らない。知らない以上、無視は出来ないはずだ。
「――少しばかり、困るんですけどね」
 青年は引き金を引いて光弾をばら撒いた。狙いは赤の機体――その中心から若干上方寄りだった。敵は進路を変えないまま高度を下げることで回避とした。放電網によって落ちた速度を、落下によって足す腹積もりなのだろう。だが、まだ引き離されるほどの速度ではない。青年は黒のニ枚翼による加速で追っていく。
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